梱包、輸送時のキズ防止、店頭での万引き防止、商品の付加価値といったことがパッケージの役割ですが、木や金属やプラスチックで作ればかっこいいのに、なんで商品のパッケージは紙製品が多いのでしょうか?紙でなくてもいいのにと思いませんか?
なぜ、多いのか? それは、紙製品の化粧箱がコストが抑えられるからでしょう。
先日、お客様のご依頼で透明で新しい質感が出せて曲線形状のプラスチック製パッケージの見積もりを取ったら、製品代金の何倍ものお値段になってしまい、びっくりしてしまいまた。
商品の本当にぴったりの形状に合わせるとしたらブリスターパックがいいと思いますが、型代で50万も出せない商品ばかりです。
価格を抑えることが1番優先。そうなると紙での化粧箱ということになってしまいます。しょうがなく紙にしようと思ってしまうかもしれません、しかし、この化粧箱、ある加工をうまく使えば融通のきくスペシャルなパッケージになるんです。
小窓が空いて、販売時にはフタが付いていて小窓を塞ぎ、使用する際にフタが取れる、そんな形状のブリスターパックのパッケージを作ると型代で70万ぐらいからです。そんな形状を紙で代用したものがあります。
設計した紙の化粧箱が下の写真です。
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写真を見るとなんて事のないテッシューやキッチン袋の箱です。
ただの四角い箱がミシン目加工で融通のきくパッケージになりました。
ミシン目加工とはテッシューやキッチン袋の箱のよう、取り出し口にあるピリピリと開ける切り口のことです。切れて、くっ付いて、切れて、くっ付いてが続いている線のことです。
続いて、ミシン目加工を使った化粧箱をご紹介します。
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なんて事のないただの化粧箱です。
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化粧箱の天面にミシン目の加工がしてあります。
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化粧箱の天面にミシン目に反って切っていきます。
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折り目に沿って織りこんでいきます
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天面部分が2つに折れ、立つようになります。
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ミシン目がある事で、POP部分ができました。手でカットできるのも嬉しいところです。
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組み立て前と後を比較できる写真をとりました。
ミシン目の加工を化粧箱に入れた事で、工場から倉庫を経由して店舗までは輸送箱として、そして、店頭ではPOP付きの陳列箱になりました。
店頭では棚にそのまま並べればいいだけなので、店頭スタッフも煩わしさがありません。
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ミシン目の加工を入れることにより、縦でも横でもどちらでもできる陳列箱もできます。
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他にも、破って穴を開けてもらったり
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クジ式に商品を出してもらったり
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開封してもらったりとミシン目は色々と用途が広い加工です。
ただこちらのミシン目の加工ですが、便利な反面、扱いがむずしい加工になります。
次の2点の写真ミシン目のピッチを大きくとったものです。ピッチが大きいと手でむしった際に、キレイに紙が切れずに部分的に、紙が繋がってしまいます。
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下の写真の左がピッチの大きいミシン目、右がピッチの小さいミシン目です。
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拡大すると、左側のピッチの小さいミシン目の方がキレイに切れていることわかります。
ではどのミシン目のピッチも小さくしてしまえばいいと思われますが、ミシン目のピッチを小さくすれば、弱い力で切れてしまうため、輸送時の振動で切れたり、お客様が商品を手に取った反動で切れて商品にならなかったりということが出てきてしまいます。
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紙の厚さ、紙の種類、紙目、後加工でもピッチが微妙に変わってきます。
このピッチは、サンプルカッターで細かく再現できないため、今までの経験の統計と勘で作っています。
ミシン目がぴったりきている例をご紹介します。
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ミシン目のピッチを紙を考慮して調整すると、
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簡単には破れないのに、手で開けやすいフタができます。
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ミシン目のピッチが紙の厚さ、紙の目により調整しています。
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絶妙なミシン目なので、手でも綺麗にカットできました。
もう1つ例をご紹介します。
ブリスターに入る、2つ折の台紙です。2つに折った正面はキャラクターのイメージ、裏側は取扱説明書や注意事項、お問い合わせ先が入ります。
そしてこの台紙、真ん中にミシン目があり真ん中で切ってポストカードになります。
文章で書くだけなら簡単ですが、2つに折れ、180度曲げ、手で簡単にきれなくてはいけません。簡単に切れるようにするにはピッチ上簡単なことですが、あまりピッチを細かくすると、180度曲げると折り目が付いてしまい、折った時点できれてしまうことになってしまいます。
ここもどうしても経験になってしまいますが、黄金のピッチ間隔を導き出し、うまくポストカードとして利用できる二つ折り台紙ができました。
ミシン目を入れることで、四角のただの箱が融通の聞いたパッケージに変身できることをご紹介しました。
弊社ではグラッフィックのパッケージデザイナーとともに、型専用のデザイナーが紙製品でブリスターやプラスチックに代用できるアイデアを詰め込んだ化粧箱、POP設計しています。
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